神経放射線診断学において、Clinical Neuroradiologyがとても役立ちますよ、ということを以前お話ししましたが、
最新号(Volume 28, Issue 3, September 2018)から、下記3論文を紹介します。
どれも新しい事実というよりは、実臨床で役立つ内容の検証です。
日本でもたまにお目にかかるようになりましたね。
Fusiform ectasia involving the ICA terminus extended to both adjacent A1 and M1 segments is very suggestive of HIV-associated ectatic cerebral vasculitis.
これこそよく出会う重要な病態ですね。
Segmental Arterial Mediolysis(SAM)とCOL3A1遺伝子変異やvascular Ehlers–Danlos syndromeとの関係にも言及しています。
「Disappearing Leukoencephalopathy. (Clinical Neuroradiology 2018;28(3): 455–459.)」
単なる中枢神経系リンパ腫だけでなく、Intravascular lymphoma(IVL)も、
長い経過を呈したり、spontaneous radiographic regressionをきたすことは、経験します。
また、本号では、神経放射線診断学雑誌において、Clinical Neuroradiology誌がAJNR誌の次にImpact Factorが高い2番目の神経放射線診断学雑誌であることを、下記のごとく高らかに謳っています。
「CNR: Stability and Growth. (Clinical Neuroradiology 2018;28(3):311–312.)」
Clinical Neuroradiology誌は、症例報告やCase seriesが多く臨床色が強いままなのに、Impact Factorが伸びています。
臨床に役立てようという姿勢を維持している事への評価の表れかもしれません。
一方、伝統あるNeuroradiology誌において、下記のようなLetterが掲載されていました。
これに対して、Responseも掲載されています。
このやりとりを掲載していることに、Neuroradiology誌の懐の深さを感じます。
皆様は、どのような感想をいだかれるでしょうか?
他の神経放射線(画像)診断学において役立つ雑誌の紹介は、こちら。
(https://ocu-radiology.jp/news/news-1667/)
(https://ocu-radiology.jp/news/news-942/)
(文責:下野 太郎)