大阪市大病院にはCTとMRI装置が各4台ずつ導入されており、 CTは4台のうち3台が多列検出器装置(MDCT)です。MDCT3台のうち1台は64列の最新鋭のMDCTであり、その機能を生かして立体表示(CT angiography, volume rendering, surface rendering, virtual endoscopy)や多断面再構成(multiplanar reformatting; MPR)などの三次元画像処理を行っています。
MRIは、3テスラ(高磁場)のMR装置が2台と1.5テスラの装置が2台導入されており、拡散強調画像(diffusion-weighted imaging; DWI)、拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging, DTI)、脳機能画像(functional MRI; fMRI)、潅流画像(perfusion imaging)、MRスペクトロスコピー(MR spectroscopy; MRS)などの最先端の検査が可能です。
CT、MRI検査は概ね全てを放射線科医が担当して行っており、対象疾患に合わせた最適と思われるプロトコールを、最新の知見と検査のスループットを勘案して独自に作成し、質の高い画像が得られています。ほぼ全てのCT・MRI画像を放射線科医が読影し、画像診断報告書を作成しています。
2007年からは 最新鋭のPACS (picture archiving and communication systems)が導入され、様々な画像検査データのデジタル保管と、専用の高精細画像モニターを用いたreal-timeの読影が可能になっています。作成された画像診断読影レポートは院内ネットワークで配信され、配信された画像とともに、院内のすべての電子カルテ端末から即時の閲覧が可能となっています。
大阪市大放射線科の画像診断部門には豊富な経験を有する各領域の専門家が揃っており、他の大学病院に誇れる質の高い診断を行っています。医学部学生および若手医師(卒後臨床研修医を含め)への教育に関しても、多くのスタッフが研修カリキュラムに沿って熱心な指導・レクチャーを行ない、頭部から胸部、腹部、骨関節の幅広い領域の診断が出来るgeneral radiologistの育成に力を注いでいます。